本日も短いネタ
重亀がフリーになって2年目の時だったと思う。
カメラマンって現場でそこそこチヤホヤされてました。
基本的にカメラマンが言ったことに対する返事は「ハイ」でなんでも通るイメージ
だからまさか現場であんなことになろうとは…
その日はメイクページの撮影
その日は赤文字系雑誌のメイクページの撮影でした。
モデルは2名、ファッション誌の中でもメイクページはちょっと特殊で、メイクページを撮るフォトグラファーをビューティー系のカメラマン と呼んだりもします。
重亀はファッションとビューティー、どちらも撮れるフォトグラファーです。
ファッション撮影に比べてビューティーの撮影は顔だけで表現するのでモデルにとっては退屈なのかもしれません。また、メイクの待ち時間も長く、ストレスも溜まるでしょう。
Kちゃんと撮影するのは3回目だったかな?
重亀の中でKちゃんは良いモデルでした。
表現力も豊かだし、こう動いてほしいという気持ちにスッと応えてくれる勘の良さみたいなものがありました。
撮影が順調に行くとつい嬉しくなってしまうもの。
残り2カットという時になって事件が起きました。
どんだけ褒めんだよ!
今となればわかります。あの日重亀は舞い上がってました。
まだキャリア2年目の若手カメラマンの重亀でしたが、メイクページの結構良いページをもらって、しかも撮影自体は順調そのもの。
目の前に可愛いモデルの子が2人いて、ポラを切る度に編集とライターが「可愛いー!」と大袈裟に褒めてくれる。
ノリにノった重亀は「いいねー!あっ!今の超可愛い!!それそれ!」とテンション高めに撮影していました。
するとそれまで笑顔だったモデルのKちゃんが急に不機嫌そうに
「 ど ん だ け 褒 め ん だ よ ! 」と吐き捨てたのです。
重亀のウザさが限界を突破したのでしょう。
ダメー!重亀はガラスのハートなんだからそんなこと言っちゃダメー!
「え?だって…かわいかったんだもん。ごめん…」
Kちゃんは軽く舌打ちしてまたカメラに向けてビジネス笑顔を向けました。
その時点でもう重亀撮れません。
カメラに入っていたロールが終了した時点でカット終了。
最後はプロセスカットと言って説明的なカット(リップグロスを持って塗っている風とか)の撮影なのでなんとかこなし、その日の撮影は終了
モデルが帰った後、片付けしてたらライターさんが来て「Kちゃん、ああいうとこあるんで気にしないでくださいね。結構みんなやられてますから」
それが嘘でもめっちゃ救われる言葉です。それでも粉々に砕け散った重亀のガラスのハートは修復不能になりました。
男相手ならオラオラ、イケイケの重亀ですが、女性にあんなふうにされると即KOです。
Kちゃん怖い…
Kちゃんのその後
Kちゃんは赤文字系の専属モデルだったので、もちろんかなり売れている方のモデルでした。
が、やはりあまり良い噂は聞かず、ちょいちょいトラブルの噂も耳に入っていました。
重亀は周りが気を遣ってなのか、あの事件の後は1度しか一緒に撮影する機会はありませんでした。
(その時は無難に撮影が終わった)
時々ネットニュースなどで見かける機会はあったものの、最近はあまり露出がないようです。
ドラッグストアの化粧品POPとかでも見かけなくなりました。年齢的なものもあるでしょうが、年齢が上がったら年齢が上がったなりの商品があるので…以下略
売れてる時はちょっと気が強かったりしても周りが我慢してくれます。しかし他にも同じくらいのモデルがいたら一緒に仕事しやすい子に仕事って流れるんです。
それはカメラマンも同じですが。自戒を込めて。
良い仕事をする、は当然ですが、周りに気を遣わせない、気持ちよく仕事ができる人間でありたいものです。
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