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人物撮影のカメラマンなら英語は話せた方がいい

カメラマンになるには

人物撮影カメラマンの必須スキルと言っていい英語
どの程度必要でどうやって身につけたらいいのかについて話そう。

TOEIC何点とか、英検何級が必要ということではない

ファッション撮影、ポートレート撮影問わず、外国人相手に撮影する場面は発生する。
そんな時に最低限のコミュニケーションが直接交わせないと非常に不便だ。
別にTOEICや英検を取る必要はない。だが、物怖じせず話せて、自分の意図を相手に伝えられ、且つ相手の言っていることを理解できるくらいの英語力は必要だ。
海外ロケでコーディネーター無しで撮影することはほぼ無いはずなので、撮影場所の許可申請やロケバス、機材の手配なんかができるほどの英語力までは必要ない。撮影対象とのコミュニケーションができればOK
フィルム時代は撮影済みフィルムを空港のX線検査に通させないだけの交渉する英語力は必要だったが、今はデジタルなのでそんな心配もなくなった。

英語の勉強法

では重亀はどうやって英語を勉強したか、であるが、駅前留学しました。(ウソです)
重亀は元々学生時代から英語が話せるようになりたいと思っていたので学校の英語の授業は真面目に受けていて、比較的成績優秀だった。(イバリッ!
友人たちより少しだけ得意という意識があり、友人と海外旅行行っても代表で話すのは重亀、みたいな感じで苦手意識は皆無。もちろん難しい会話はわからない。ちゃんと英会話教室に通っている人と比べたら語彙力も少ないはず。
しかし、とりあえず当たって砕けろ!で話すというマインドだけは持っていた。

スタジオ時代はあまりありませんでしたが、アシスタントになって、外人モデルと話す機会は多くなった。
オーディションでテスト撮影するのは重亀の仕事だったので、外人モデルに指示を出して撮影しなくてはいけない。そこは勉強も兼ねてなので師匠は何も口出ししない。
クライアントやデザイナーさん、制作の人たちが見ている前でモデルに英語で指示を出しながら後で資料として使える写真を撮るというのはなかなかのプレッシャーだった。
撮影中のコミュニケーションというのは、師匠がモデルと話しているのを横でみているのでどういった声かけ、ポージングの指示をしたらいいのかもわかる。ただし、師匠もネイティブではないし、独学で英語を学んだ人なので稀に「ん?」と思うことはあった。
そういう時は事務所に戻って辞書をひいたり、英会話の本を調べたりしていた。

朝、モデルが事務所に来てヘアメイクのベースを作ってからロケバスでロケ…という時などは、モデルから英語で事務所に電話がかかってきて「場所がわからない」と言われ、必死に英語で案内したこともある。
やべぇよ、オレそんなのできないよ…と思っている君に朗報だ。
日本にいる外人モデル、ウクライナ人、ロシア人、ポーランド人、リトアニア人…東欧系が多い。
つまり

外 人 モ デ ル の ほ と ん ど が ネ イ テ ィ ブ ス ピ ー カ ー じ ゃ な い

君と同じ、自信のない第二言語で頑張って話しているのだ!
多少、いや、結構盛大に間違っても「こいつ英語しゃべれねぇー!」なんてバカにしたりはしない。
逆に一生懸命に聞いてくれる。向こうの言ってることがわからなくて「ごめん、わからない、もう一回」と言ってもゆっくり話してくれたり、違う言い方を探してくれたりする。つまりとても協力的
ほら!外人モデル、怖くなくなったでしょ?

それでも「じゃぁ、学校でならっただけの英語でオレも大丈夫」と思うのはよろしくない。
ちゃんとそれなりには勉強した方がいいし、コミュニケーションが円滑な方が現場はうまく行く。

 

 

外タレ撮影は気を遣う

タレント撮影は日本人のでも気を遣うが、外タレの特に売れてる人が相手になるとものすごく気を遣うことになる。
英語ネイティブな相手であることも多い。しかし安心してほしい。タレント撮影なので別にモデル撮る時みたいに色々コミュニケーションを取って…なんて時間は大抵ない。事務的に撮影してパパッと終わることこそが正義になる。もちろんあったら「やぁ、オレはフォトグラファーの重亀だよ。よろしくね」と挨拶して、「こんなカットを撮りたいから、ここに座ってこっちを見て…腕は組んで…」みたいな指示は出さなきゃいけない。でもこっちが下手な英語だからって怒ったりする人と会ったことはない。
でも、相手が気を遣ってジョークを飛ばしてくれた時に反応できるだけの瞬発力は必要
実際にあったのは、雑誌の見開きの取材でイギリス人ミュージシャンの撮影をした時のこと。
「今日はこの雑誌の見開き撮影だよ、だから縦で1カット、横で2カットの3カットほしい」と最初に伝えていた。
撮影終了後「僕を女性ファッション誌のカバーショットに使ってくれるなんて!ありがとう!」という彼に重亀は「カバーショットはギャラも高いんだ。オレも嬉しいね!」と冗談で返した。
ジョークをスルーするのはよろしくない。その後インタビューが控えてるならなおのこと、いい空気感でライターさんに引き継ぎたい。
こういうこともあろうかと、重亀はそれなりに会話のシミュレーションをして現場入りした。
シミュレーションしていてもなかなかすぐには出てこない。外タレ撮影の前はしっかりとシミュレーションに時間を使っておくことをお勧めする。

どうしようもなく手強い相手

大丈夫!と言っておきながら脅して申し訳ないが、手強い相手が存在する。
それは子供だ。特に横田基地とかの米軍の軍人さんの息子、娘がモデルで来た場合は胃が痛い1日を過ごすハメになる。
某有名アパレルのwebサイトの撮影をやっていた頃、子供服の撮影もあった。
とてもクオリティを要求される撮影で、ポージングも自然で生き生きしたものであり、且つ服にも自然なシワ(というよりドレープ)が入っていることを求められた。
基本はスタジオ撮影で1日に30-40カット程度を撮らなくてはいけない。なかなかのカット数だ。
そんな中、4-5歳くらいの英語ネイティブな子供がモデルで入ってきた時、重亀の英語は全くと言っていいほど通じなくなる。発音が悪いので何を言っても「ハァ?ハァー?」と言われ、だんだんと自信を失って重亀の声は小さくなっていく。
子供なのでお母さんかシッターさんがついてきてくれて重亀の下手な発音をネイティブ発音で通訳して伝えてくれるのだが、これがまた伝えたいタイミングで伝わらなかったり、申し訳ない気持ちになったりでツラい。
そして何より、その仕事のクライアントの会社は確か車内公用語が英語だったはず。
つまり撮影を横目で見ながらスタジオの後ろの方に座ってノートパソコンを開き何か作業していたあのクライアントは「チッ、重亀は英語ヘッタクソやなー」と思っていたに違いない。恥ずかしい。

ビジネス系より日常系の会話力と発音が大事

まとめると、英語は必須、ただしTOEICみたいなビジネス系の英語力よりはもっと日常会話に振った英会話力、そして綺麗な発音ができると良いだろう。
学生時代に使った英文法の教科書とか、TOEIC語彙力みたいな本は捨てて、日常会話的な方向の英会話本を読むことをお勧めする。
また、英語に自信がないなら英会話教室に通うのもいいだろう。今は通わなくてもオンライン英会話の教室はたくさんある。自分のペースで学べるものも多いので調べてみるといいだろう。

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