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モデルに利確される

時代別 カメラマン

「利確」という言葉は株などで利益が乗ったところで売って利益を確定するという意味があります。
同時に株を手放すということでもあるので、今後配当金も株主優待も受け取れなくなり、今まで株主をしていた会社と縁を切る、ということであります。

モデルとカメラマンは二人三脚

若手時代は特にそうですが、お互いに写真が必要です。
モデルはコンポジ用やブック用に作品がほしいし、カメラマンだってブックに入れる写真を撮りたいのでモデルとは良好な関係を築いて作品撮りをします。
もちろんブックの中に何度も同じモデルが登場するのは好ましくないので、何人も手持ちのカードを持っていたいのが正直なところ。仲間のカメラマンや先輩後輩にモデルを紹介したり、紹介してもらったりしながら、作品を撮り溜めます。

ある程度キャリアを積んでも旨みのある関係性

ピンポイントに「今度スポーツウエアのオーディションがあるから」とか「お母さん役のオーディションで…」と、狙ったオーディションに合わせてブックの中の写真を頻繁に更新したいモデルにとってはそれなりのベテランのカメラマンに撮影を頼めるのはモデルにとっては心強いだろう。
それに運が良ければオーディションで出向いた先に知っているカメラマンが審査側で座っていることもある。また、カメラマン側から「こんな子いるんだけど」と制作に推薦してもらえることもある。
逆にカメラマンがモデルに制作を紹介してもらって仕事を得ることもある。
モデルのブックの中の重亀が撮った写真を見て「この写真撮ったカメラマンさん紹介して」と言われて新しい取引先が開拓できたことがある。
自分の撮影した写真がポスターやカタログ、webサイトになって、誰かに「いいな」と、思ってもらえても雑誌でなければクレジットはまず入らないので自分のところに反響は帰ってこない。
だが、モデルのブックという「制作に関わる人間が見る物」に自分の作品が入っているのはとても営業的に美味しいのだ。モデルに聞けばカメラマンが誰だかはすぐにわかる。だから、無償で作品撮りをしてあげるメリットはある。

利確されました

なんのこっちゃい?と思うだろう。でも、その日重亀は帰りのタクシーの中で「あぁ、オレは利確されたんだ」って思ったのですよ。
何度か撮影していたモデル、いや、彼女はもう女優になっていた。Kちゃんとしておこう。
ミス⚪︎⚪︎(ヤンマガとかヤンジャンとかあるでしょ?)から出て、モデルやりながら演技もやって、女優になって…という、被写体としても魅力的な子でした。
「重亀さん、私、今度公開する映画、初日に舞台挨拶もするんで見にきてください!」と、連絡が来ました。
結構遅めの時間でした。お付き合いですからね。行きましたよ。
チケットはマネージャーさんが押さえているとのことで、映画館に着いたところでマネージャーさんに連絡してチケットをもらい、チ ケ ッ ト 代 を 払 い、自分好みではない映画を見て、舞台挨拶を見て、本人とマネージャーにお祝いの言葉を伝えて帰ってきました。
うん、チケットの売り上げが厳しかったんだよね。お客の入りを見てわかったよ。
ここで重亀は現金化されたんです。重亀は数千円の価値しかない男です。

ビジネスの関係だけどね…

カメラマンとモデルなんて淡白なもんです。
撮影中は「こいつら付き合ってんのか?」と周りが錯覚するくらい仲良く見えるカメラマンとモデルでも、それはカメラを挟んでいる時だけの話
それでもさ…結構傷つくんだぜ。オレ、そこそこいい写真撮ってたと思うんだけどな。
重亀がKちゃんに連絡することはもう二度とないであろう…
その日は家に帰ってハイボールを飲んで、酔い潰れてソファーで眠りましたとさ。

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