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カメラマンのギャラについて赤裸々に話そう

時代別 カメラマン

みんな大好きお金の話

重亀が経験した仕事の単価

これは仕事によってまちまちです。
本当にまちまち。自分の話で言えば上は1日150万円、下は取材1本で7500円
泣いちゃうね。

どうしてこんなことになるのか?

高額ギャラといえば広告

上の150万円についてはもちろん広告だ。代理店から直請けの広告のギャラのはなし。
広告の場合撮影料プラス媒体使用料というもので価格が決まる。
ビルボードや駅ばりポスター、新聞広告に店頭ポスター、POP、カタログやパンフ、webサイトと使用する範囲が広くなればなるだけ高くなる。
代理店直ではなく、間に入った制作会社からの依頼だと同じ仕事でもギャラは60万円くらいまで下がり、その下のデザイン会社からの依頼だと40万円くらいになるか…

であれば、直に代理店から仕事をもらいたいところだが、そう簡単に代理店から仕事をとることはできない。そしてフリーランスで電通や博報堂の口座を作ってもらうのは相当難しい。
重亀は電博に口座を持っていないので、直で依頼をいただいてもかならず子会社経由の支払いになっている。
また、金額が高い場合(概ね100万円以上)は手形支払いになるので手元にお金が入るのは半年以上先になったりする。

雑誌の場合

雑誌のギャラは1日いくらではなく、ページいくらという計算方法になる。
出版社によって、また雑誌によってページ単価は違ってくる。
重亀がやっていた雑誌は大体ページ単価12000円〜25000円の間だった。
雑誌の仕事の場合、交通費や駐車場代などは全額出版社持ち、宿泊の場合は顎足枕まで全部出版社負担になる。
重亀の1本7500円の取材というのが雑誌の仕事で掲載が1/2ページだからページ単価15000円の半額という無慈悲なもの。
それでもさすがに1/2ページの仕事だけにスケジュールをおさえてくる悪魔のような編集者はいないので、他の企画と同じ日に1件目終わったあとにあっちの取材もお願いします というやつである。
ファッション誌の特集ページだと大体4ページ〜多いと12ページくらいあるかな?
ページ数が多ければ結構良い稼ぎになります。
もちろん1日仕事になるのだけれど。

商品カタログやPOP、SP(セールスプロモーション)などの撮影

POPだけならそれほど難しいスキルは必要ありませんが、カタログ撮影となると技術力が求められるものです。それが人物が着用した洋服のカタログでも商品の切り抜きでも。
だいたいこの辺の撮影だと1日10万円〜30万円くらいのレンジです。
カタログになると1日で撮影が終わらないこともあるので実際には3日撮影して50万円、みたいな感じだったりします。機材代やアシスタント代含む。

その他の企業案件

最近多いのがweb制作会社などから依頼をもらう、企業HPの撮影
特に新卒採用ページのために仕事風景や社員ポートレートを撮ってほしいというもの。
半日で5万円程度〜、1日だと8万円〜で撮影内容や行き先によるといった感じでしょうか。
稀にすごい遠方に撮影に行ってください!とか、クリーンルームの撮影や危険な場所での撮影などもあるので、そういった場合は追加料金をいただくことにしています。

あとは地域密着型の制作会社なんかだと歯医者さんだとか整体院の撮影をお願いしますなんてのも稀にあります。こちらも1件半日で5万円程度です。

イベント撮影

イベントにもいろんな種類があります。アーティストのライブ、ファッションショー、モーターショーみたいな大きなイベントの記録撮影から、イベントに出展した出展者のブースのみの記録撮影、また企業主催のパーティー、新商品発表会、セミナーの記録撮影など。
1人で撮影できるものから、チームで動くものまでありますが、ブースのみの記録撮影みたいなゆるいもので5万円〜、その他の記録撮影だと8万円(1人あたり)〜12万円くらいが相場でしょうか。
もちろん特殊なことをするとさらに追加料金をいただきます。

web媒体の仕事

これがなかなか難しい奴なんです。
いろんなweb媒体がありますよね。取材系や商品レビュー系、グルメレポート、イベントレポート…
この辺りの仕事は本当に媒体次第各種あります。
拘束時間1時間でインタビューカットの撮影、20000円でお願いします!みたいなものもあるし、有名なweb媒体でしっかりした商品撮影まで含めたタイアップ記事になると10万円ってのもあります。
重亀はお断りしますが、「数枚ポートレート撮ってくれたらいいだけなんで、交通費込みの8000円でお願いします。」なんて失礼な依頼も稀にあります。
撮影自体は30分で終わるかもしれないけど、その仕事受けたらその日1日仕事は入れられれなくなるんだよね…
そして最初に安い仕事を持ってきた人が後からいい仕事を持ってくるなんてことは絶対にありません。
「また前回と同じ金額でお願いします」と言われるのがオチ
それでも請ける人がいるということなのだろうけど、あまりにもバカにした依頼が存在するのも事実です。しっかり断る勇気も必要です。

カメラマンは稼げない

さて、ここまで読んでみてどうでした?
150万円の広告の仕事を年10本やれば年収1500万円かー、いいじゃん!と思ったそこのキミ、そんな依頼はこないから。
まずはある程度売れてる雑誌とかである程度実績積んで、そこそこ名前が出てからじゃないと広告の仕事は来ません。
なら、雑誌で名前売るために頑張りますわ…と、雑誌の編集部に電話かけてみてくださいな。
現実ってものがわかるから。
安い安いと言われている雑誌の仕事でさえ、奪い合いは熾烈を極めます。

カタログ、POP、SPツールもそこそこ実績がなければ受注できません。
また、カメラマン集めてイベント撮影や取材なんかの仕事を振ってるサイトがありますが、そういうところは報酬の半分くらいをポケットに入れてからカメラマンに投げているだけの中抜き業者で、そこから出てくる仕事なんてせいぜい日当にして15000円〜20000円がいいところでしょう。機材が壊れたら修理代で赤字です。

とても現実的なデータが厚生労働省から出ているのでこれをみてほしい。
https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/355

職業カメラマンは全国に7万人弱いるそうです。
さて、そのうちどれくらいの人が雑誌の仕事をしているんでしょうね?
1つの雑誌に出入りしているカメラマンの数、せいぜい15人くらいだろうか?コンビニにも並んでいるような売れてる雑誌は20誌くらいかな?やっている人が被っていなくても300人です。
7万人のカメラマンの中から300人、割合で言うと、233人の中の1人に、あなたは入れる自信ありますか?
1回雑誌の撮影しただけじゃダメなんですよ。何度も継続的に仕事もらえて、良いページをもらえるようになって周りから認知されて、広告の話があった時にキャスティングのテーブルに自分の名前が乗って、他のカメラマンを差し置いて自分が選ばれた時にやっと広告の仕事が取れるんです。
キツいです。マジで。技術は持っていて当然、あとは運もないと無理
自分の努力の範囲外の要素が95%くらいを占めます。でも自分のできることは全力で努力しないと95%の運があってもダメです。
重亀は運に恵まれた側の人間ですが、じゃあ、この運の要素を他の努力で埋められるのか?と問われたら…
ものすごく人間的な魅力に溢れていて営業力があればもしかしたら?とは思います。しかし自分の運の部分を埋められるほどのコミュニケーション能力を持った人と出会ったことはありません。
なのでやはり無理だと言って差し支えないでしょう。

厚生労働省の資料によると、平均年収は521.2万円です。ご存じのとおり、平均年収というのは上に引っ張られがちなので、中央値で言えば450万円とかそんな程度かな?
インボイス制度が始まりました。今まで消費税をポケットに入れていた人たちも消費税が取られます。
来年はもっと下がることでしょう。

やりたいですか?カメラマンなんてやめとけ。本当に儲からないから。
写真が好きなら、給料の高くて休みの取れるホワイトな会社に就職もしくは転職して、休みの日に好きなように写真撮ればいいんです。ノーストレスだから!
仕事にしたら写真撮るのもストレスまみれだぞ!笑

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